リメイク着物・リサイクル着物
鈴木栄治の着物リメイク
アンティークな和服の中には、
「柄の部分(刺繍や染)が見事な出来ばえでも、土台となる生地が古く傷んでしまって身につけるにはちょっと無理。」
というものがたくさんあります。
一般家庭の中にも
「祖母が着ていた着物がタンスの中にあるのですが、かなり古く傷んでいてとても着ることができません。でも柄の部分がすばらしく、とても気に入っているので手放すこともできません。」
というようなご相談を受けることも多くなりました。
鈴木栄治「創作きもの」は、そのようなアンティークものを卓越された技術によってリメイクし、新しい和服に蘇えらせたものです。
また、単なるリメイクだけではなく、全く違った種類の和服にも変貌させることもできます。
・創作技法についてはこちらをご覧ください。→鈴木栄治 創作技法
・創作品の種類についてはこちらをご覧ください。→鈴木栄治作 創作品の種類
・創作依頼についてはこちらをご覧ください。→創作着物 仕立て依頼
鈴木栄治「創作着物」が生まれた背景
鈴木栄治が創作活動を始めたきっかけは、「染物の職人や織物の職人には表現できない、オリジナルなものを作りたい」との想いから始まりました。
そして、創作品に必要な古布を収集していく過程で、先人たちが残した染めや刺繍のすばらし技術に改めて感嘆し、その技術を和裁職人ならではの方法でプロモートしていくことも考え始めました。
先に述べましたが、鈴木栄治作「創作きもの」は、先人たちが残した素晴らしい技術を、新たな技法によって全く新しい和服に蘇えらせるものです。
そして、今の時代だからこそ生み出された創作品と言えます。
以下、鈴木栄治作「創作きもの」が生み出された時代の背景について
きものeco時代
数年前からecoという言葉を頻繁に聞くようになりましたが、それに伴い、リサイクル、リュース、リデュースという行為も今ではあたり前として捉われています。
鈴木栄治が代表を務める有限会社衣裳研究会は、和裁業として長年営んでいますが、和裁の世界にもこのような時代の流れによって数年前から仕事内容に変化が見られています。
それは、過去に例をみないほど「直し」の仕事が増えたことです。
新し物を購入せず、今あるものを直して着るという行為は、単に金銭の問題だけではなく、着物が必要とする資源を大切にしようという思いからも繋がっていると思います。
古い着物の再生需要
今の高齢者の方々は、着物がまだ普段着として扱われる時代が残っていました。
そのため、タンスの中に今でも数枚は閉まってあるのではないでしょうか。
そして、その着物を再生しようとする需要が高まっています。
それは、着物を受け継いでいくという風習と、今の時代背景に伴う「もったいない」という感情などから、タンスの中に眠っている着物を生き返らせる行為に繋がっているのではないでしょうか。
昔の柄と今の柄
「昔の職人はいい仕事をする。」とよく言われますが、確かにその通りです。
刺繍にしても染にしても素晴らし技術を駆使した作品が今でも多く残されています。
しかし、現代ではその技術を継承する後継者の減少や和服を取り巻く時代背景などによって昔のような作品が生まれにくい時代になっています。
今と昔の職人技術の質を単純に比較することはナンセンスであり、昔のような作品が減少していることはある程度仕方のないことです。
われわれ和裁職人は、刺繍や染めの技術を継承することはもちろんできません。しかし、鈴木栄治「創作きもの」は、先人たちが残した作品を再利用することにより、その技術を現代の人々にも知っていただく、着ていただくことができるのです。
最後に～今の時代に合った創作きもの～
アンティークな着物の中には、店舗やネットで販売されている品質的に状態のいいものや、キズや汚れがあるため身につけるには到底難しいものまで様々あります。
鈴木栄治の創作着物は、主に後者のアンティークものを使用して新しい和服を生み出すものです。
そして、その中でも柄の部分だけを使用するので、土台の生地がかなり傷んでいるものでも柄の部分さえ状態がよければ新品として蘇えらせることが可能です。
また、柄の部分に多少の痛みがあったとしてもそれを修繕し、再利用しています。
「もう着ることができない。」と諦めていた着物が形を変えてまた蘇えるわけですから最高のeco着物といえるではないでしょうか。
