着物創作技法
切嵌象嵌(きりばめぞうがん)・・・布の象嵌
一枚の土台となる布を紋様通りに切り抜き、全く同じ紋様を型どった別の布を切り抜いた部分に嵌め込む技法。古来より切り嵌めという言葉はありますが、その殆どが土台となる布の端から嵌め込む技法であります。しかし、私の切り嵌めは、その技法だけではなく、布の中を切り抜いて嵌め込みますので、この技法をあえて、《切り嵌め象嵌》あるいは布の象嵌と名付けました。
象嵌・・・金属、磁器、木材などの面に、紋様や文字を切り抜き、その部分に他の材料を嵌め込むこと
切り嵌め 作品
訪問着 道行コート 道中着 袖のぞき 帯 綿入れ袢纏 作務衣 手提げ 巾着 など
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陽炎仕立て(かげろうじたて)
透ける布地(主に無地の紗)の裏に、裾から丈の3分の2あたりまで紋様のある布を付ける仕立て方で、表から陽炎の様に裏の布の紋様が見えるところから、この仕立て方を《陽炎仕立て》と名付けました。
着物の上から羽織ると帯の柄も透けて見えるのでより風合いが感じられ、また道中着や袖のぞきは洋服の上からカジュアルに着こなす方も大勢いらっしゃいます。真夏を除く3月下旬から10月下旬までお召しになれるので長い期間重宝します。
陽炎仕立て 作品
道行コート 道中着 袖のぞき 袖なし など
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陽炎仕込み(かげろうじこみ)
切り嵌め技法を応用した技法で、一枚の土台となる布を紋様通りに切り抜き、全く同じ紋様を型どった別の布を切り抜いた部分に嵌め込む際、その柄布の上から更に透ける布(主に無地の紗)を被せ、柄布と透ける布を一緒に土台となる布に嵌め込む技法。
土台となる布地に二枚の布(柄布と透ける布)を嵌め込みますが、高ばりがないのが特徴で、色のきつい染めや刺繍が紗を掛けることにより落ち着いた雰囲気を醸し出します。
陽炎仕込み 作品
道中着 袖のぞき 袖なし 名古屋帯 手提げ など
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御簾越仕立て(みすごしじたて)
主に紋様の施されている布(透けない布)の上に紗を全部かけて仕立てる技法。
御簾(みす)とは、簾(すだれ)の高級なものをいい、宮殿や神殿などに用いられるすだれで、その御簾を越えて見える景色をモチーフにしたことから《御簾越し仕立て》と名付けました。
主に道行コート、道中着、羽織、伴纏等、着物の上に羽織るものにこの技法が使われます。
(二重紗は紗を二枚重ねて仕立てあげたもの)
御簾越し仕立て 作品
道行コート 道中着 袖のぞき 袢纏 袖なし羽織 袖なし 巾着 など
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袖のぞき
着物の上、等に羽織るもので、袖幅が着物よりも狭く仕立て上げられているもの。したがって着物の袖が羽織ったものよりのぞく(出る)ところから、《袖のぞき》と名付けました。
着物の上からでも、洋服の上からでも羽織れるように、乳(紐つけ)は、衿から見えない様に付けてあります。
又、後ろ身頃より前身頃を短く仕立てたものを《つばくろ仕立て》と名付けました。
袖のぞき 作品
陽炎仕立て 切り嵌め袷 陽炎仕込み 御簾越し仕立て など
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名袋仕立て(なぶくろじたて)
通常の名古屋帯の締め方(一重太鼓)で、外見は二重太鼓に見える仕立て方。
仕立て方
同じ帯地で長さ約2尺5寸のものを仕立てます。
それを、開き名古屋で仕立てた帯のお太鼓部分の裏側にマジックテープで付着します。
マジックテープで取り外しができるので、着物の種類に合せフォーマル、インフォーマルに使い分けることができます。
名古屋帯の名、袋帯の袋、の頭文字から名袋仕立と命名しました。
柄が豪華な帯の場合にお客様にお薦めしています。